マンフロットのMTPIXIMII-Bは、重さ約190gで1kgまでの機材を載せられるイタリア製のミニ三脚で、評価の中心は軽さと持ち運びやすさにあります。弱点は、高さを変えられないこと、縦位置で撮れないこと、雲台が約35度までしか傾かないことの3点です。ミラーレスカメラやスマートフォンを卓上で支えたい人には向いていますが、縦位置を頻繁に撮る人はPIXI EVOを選んだほうが後悔しません。
この記事では、マンフロット公式サイトと海外販売店の掲載情報、Digital Camera WorldやTrusted Reviewsのレビュー、デジカメWatchの報道、価格.comのレビューページで確認できた内容をもとに、仕様、長所、短所、PIXI EVOとの違い、価格の目安、向いている人を順に整理します。執筆基準日は2026年10月1日です。MTPIXIMII-Bの評判を調べて、買うかどうかを決めたい人に向けて書きました。
MTPIXIMII-Bは約190gで耐荷重1kgのイタリア製ミニ三脚

結論から言うと、MTPIXIMII-Bはマンフロットの定番ミニ三脚PIXIのブラックモデルで、イタリア製(Made in Italy)として販売されている型番です。コンパクトシステムカメラ、つまりミラーレスカメラなどを想定した卓上用の三脚で、脚は伸縮しない1段式、雲台は三脚本体と一体になったボール雲台です。
基本情報と型番の位置づけ
マンフロット公式サイトは、この製品を軽量で持ち運びやすく、プッシュボタンで簡単にセットアップできるミニ三脚として紹介しています。イタリア製で、プロ用の撮影機材に求められる品質と設計の考え方を取り入れたという説明も付いています。デザインは余計なものを省いたミニマルなイタリアンスタイルです。
型番が似ているMTPIXI-Bは、イタリア製ではない通常のブラックモデルです。2つの型番の違いを細かく比べた情報は確認できませんでした。確かなのは、MTPIXIMII-Bがイタリア製として売られているという点です。後半で紹介する国内の価格情報も、MTPIXI-Bのものなので、そのまま読み替えないでください。
主な仕様を表で確認
海外販売店のAdoramaなどが掲載している仕様は、次のとおりです。日本のマンフロット製品ページや価格情報サイトの数値とも一致しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 重量 | 約190g |
| 最大高さ | 約13.5cm |
| 収納時の長さ | 約18.5cm |
| 脚の段数 | 1段 |
| 耐荷重 | 約1kg |
| 素材 | アルミニウム、テクノポリマー |
| 取り付けネジ | 1/4インチ |
| チルト | 前後左右ともマイナス35度からプラス35度 |
| 脚の開脚角度 | 45度 |
| パノラマ回転 | 360度 |
| 使用温度範囲 | 約マイナス30度から約60度 |
数字を眺めると、この三脚が何を捨てて何を残したかが見えてきます。高さの調整と縦位置を捨て、軽さと収納のしやすさを残した製品です。
評価が集まるのは軽さと持ち運びやすさ

MTPIXIMII-Bの評判を集めると、長所はほぼ携帯性に集中しています。価格.comのPIXIミニ三脚のレビューページでも、デザイン、携帯性、収納性の評価が高く、なかでもデザインの評価が目立ちます。海外のレビューも同じ方向です。
約190gと収納長18.5cmが旅行向き
重さは約190gと軽く、収納時の長さは約18.5cmなので、バッグの隅に入ります。ポケットに入れて歩けるサイズ感で、旅行や散歩の撮影でも荷物になりにくい点を、Digital Camera Worldはポケットサイズの旅行用ガジェットとして評価しました。
同じレビューは、市場で最も軽い部類に入るとも書いています。見た目についてはTrusted Reviewsが、小さくて上品な本体で、高級感のある仕上げだと評価しました。軽さと見た目の両方で点数が取れているわけです。
Digital Camera Worldは、テーブルの上、岩の上、橋の上などに置いて、ある程度の安定感を得られるとも書いています。ある程度、という言い方は正直です。地面に据えて使う本格的な三脚ほどの安定感はありませんが、持ち歩く道具として考えれば、悪くない水準です。
プッシュボタン式のボール雲台は素早く決まる
雲台のボールは、プッシュボタンで固定と解除を切り替えます。マンフロットは、この仕組みで雲台の位置を素早く直感的に決められると説明しています。Digital Camera Worldも、ボール雲台は使いやすいと評価しました。
カメラを付けて、3本の脚を開き、置いて、ボタンを離せば固定されます。手順の少なさがこの三脚の売りで、撮影の流れを止めたくない場面に合います。
ハンドグリップとして握れる
形状はハンドグリップとしても使えます。ビデオ撮影では、三脚として置くだけでなく、手持ちで構える場面があります。そんなとき、握って構えられる形なのは便利です。
1/4インチネジとゴム脚の組み合わせ
取り付けネジは1/4インチの汎用タイプです。カメラ以外でも、対応する小型のデジタル機器を1kgまで載せられます。Digital Camera Worldは、あらゆる種類のカメラ、スマートフォン、アクションカメラで使えると書きました。
脚先にはゴムの足が付いていて、机の上で滑りにくくなっています。Trusted Reviewsも、脚先の小さなゴムパッドがグリップ力を出していると評価しました。
弱点は高さ固定と縦位置不可と傾き35度
良い評判の裏返しが、そのまま弱点になります。MTPIXIMII-Bは機能を削って軽くした製品なので、削った機能を必要とする人には合いません。
高さを変えられない
脚は13.5cmの1段だけで、長さを調整できません。レビューでも、高さを調整できない点は欠点として挙がっています。ただ、価格.comには、高さの微調整ができなくても、実際に使ってみると気にならないという声があります。置く場所を選べばいい、と割り切れる人には、この欠点は小さく収まります。
縦位置で撮れない
Digital Camera Worldは、ボール雲台の動きが限られていて、横位置以外の撮影ができないと指摘しました。縦位置を撮れない、という点は、スマートフォンで縦長の動画を撮る人にとって致命的です。縦位置を1度でも使う予定があるなら、この三脚は候補から外してください。
上向きに約35度までしか傾かない
チルトの範囲は前後左右とも35度までです。Digital Camera Worldは、上向きに約35度を超えて傾けられないため、卓上での天体撮影が難しいと書いています。星空を撮る目的なら、別の三脚を探してください。
プッシュボタンが固い
Trusted Reviewsは、プッシュボタンがかなり固く、雲台の傾きと回転の調整がぎこちない作業になると評価しました。ボタンで素早く決まるという長所と、ボタンが固いという短所が、同じ機構について両方書かれています。素早さは位置が決まったあとの固定の話で、操作感は調整中の話なので、矛盾はしません。
重めのカメラでは頼りない
Trusted Reviewsは、ソニーのサイバーショットDSC-RX1やキヤノンの100Dのような重めのカメラを載せると、グリップ部分の頼りなさが増すと書いています。長時間の撮影には向きません。耐荷重は約1kgなので、載せるカメラとレンズの合計重量を、購入前に量っておくのが確実です。
PIXI EVOとの違いは脚の調整と縦位置と耐荷重

MTPIXIMII-Bと比べて検討したい製品が、同じPIXIシリーズのPIXI EVOです。デジカメWatchの報道で確認できた違いを表にしました。
| 項目 | PIXI(MTPIXIMII-B) | PIXI EVO |
|---|---|---|
| 脚の段数 | 1段で長さは固定 | 2段式で長さを5段階に変えられる |
| 開脚角度 | 45度 | 55度と80度の2段階 |
| 縦位置撮影 | 非対応 | 対応 |
| 高さ | 約13.5cm固定 | 最低約10.5cmまで下げられる |
| 耐荷重 | 約1kg | 2.5kg |
| ロック機構 | プッシュボタン式 | ノブを回して締め込む方式 |
| 脚の素材 | アルミニウムとテクノポリマー | アルミニウムとマンフロット独自のポリマー素材ADAPTO |
PIXI EVOは、PIXIの弱点だった高さ、縦位置、耐荷重をすべて埋めた製品です。そのぶん脚を調整する手間が増え、ロックもボタンからノブに変わりました。
MTPIXIMII-Bは、調整機能を減らして軽さと手軽さを取った製品です。高さや縦位置の撮影を重視する人、重めのカメラを載せたい人は、最初からPIXI EVOを選ぶほうが早いでしょう。
PIXIシリーズには、スマートフォンを固定するアダプタが付いたPIXI Smartミニ三脚キットもあります。マンフロットは、スマートフォンをミニ三脚に固定するためのPIXIクランプというアクセサリーも用意しています。スマートフォンが主役なら、こちらの構成も候補に入ります。
雲台は前後左右に35度ずつ動き360度回る
雲台の可動域を数字で見ておくと、買ってからの戸惑いが減ります。チルトは前後左右ともマイナス35度からプラス35度なので、水平の位置から片側に35度ずつ、合計で70度の幅があります。パノラマ回転は360度で、向きは自由に変えられます。
この範囲で足りる場面は多いです。テーブルに置いて、少し見下ろしたり、少し見上げたりする程度の撮影なら、35度あれば間に合います。足りないのは、真上に近い向きや、カメラを横に倒して縦位置にする動きです。Digital Camera Worldが縦位置と天体撮影を欠点に挙げた理由は、この可動域にあります。
脚の開脚角度は45度で固定です。PIXI EVOのように、広げ方を選ぶことはできません。そのぶん、広げるだけで形が決まります。
使用温度は約マイナス30度から約60度まで
海外販売店の掲載情報には、使用温度の範囲も載っています。約マイナス30度から約60度までです。華氏で書くと、マイナス22度から140度です。冬の屋外から夏の屋外までを含む幅で、日本の気候で使うぶんには、温度を気にしなくて済みます。
価格の目安は1,895円から2,870円の掲載で対象はMTPIXI-B
検索で確認できた日本国内の価格は、イタリア製ではない通常のブラックモデル、MTPIXI-Bのものです。ビックカメラ.comでは、定価3,938円(税込)のところ、2,870円(税込)で掲載されていました。Amazonでは1,895円の掲載が見つかっています。
定価3,938円と比べると、ビックカメラ.comの2,870円は約27%安く、1,068円の差です。Amazonの1,895円は、定価のおよそ48%にあたります。掲載された価格の幅は大きいので、買う店を決める前に、2、3店の価格を見比べる価値は十分にあります。
MTPIXIMII-Bの価格は、販売店や時期で変わります。購入前に、各ショップの最新の価格を確認してください。ミニ三脚としては手の届きやすい価格帯で、失敗しても痛手が小さい点は、評判を調べる人にとって安心材料でしょう。
重量の数字はレビューと製品で食い違う
レビューを読むときに1つだけ注意してほしい点があります。MTPIXIMII-Bの掲載重量は約190gですが、Trusted Reviewsの記事には約230gと書かれていて、Digital Camera Worldの記事には約0.51ポンドと書かれています。0.51ポンドは約230gにあたります。
2つのレビューは、同じ数字に揃っています。掲載値の約190gと比べると、40g前後の差があります。重量の数字が違う理由は、手元の情報では確かめられませんでした。そのため、レビューの重量をMTPIXIMII-Bの数値として使わないでください。手元に届いた製品の表記と、販売ページの仕様を確認するのが安全です。
向いている人と向いていない人は撮る向きで分かれる
ここまでの情報を整理すると、向き不向きは撮影の向きと機材の重さで決まります。
セルフタイマーや定点撮影には向く
ミニ三脚の使いどころは、マイナビおすすめナビの記事に整理されています。集合写真をセルフタイマーで撮るとき、手ブレを気にせず撮りたいとき、定点カメラで動画を撮りたいときです。MTPIXIMII-Bは、どれも横位置で撮る場面なので、弱点が出にくい使い方です。
旅行で荷物を増やしたくない人にも合います。約190gなら、バッグに入れても忘れるくらいの軽さです。スマートフォンやアクションカメラを卓上に置きたい人も、1/4インチネジで取り付けられるので、問題なく使えます。スマートフォンの場合は、固定用のクランプを別に用意してください。
縦位置と重い機材と星空には向かない
縦位置の撮影を頻繁にする人には向きません。高さの調整が必要な人にも向きません。1kgを超える機材を載せたい人、卓上で天体撮影をしたい人も、別の製品を探してください。この4つのうち1つでも当てはまるなら、PIXI EVOか、別のタイプの三脚が合います。
用途別に見た判断の早見表
ここまでの内容を、用途ごとの判断に置き換えました。撮影の向きと機材の重さで決まるので、自分の使い方に近い行を見てください。
| 用途 | MTPIXIMII-B | 理由 |
|---|---|---|
| 集合写真のセルフタイマー | 向く | 横位置で置くだけで、重さは約190gと軽い |
| 定点カメラでの動画 | 向く | 高さは約13.5cm固定だが、置き場所を選べば足りる |
| 旅行での持ち歩き | 向く | 収納時の長さは約18.5cmで、バッグに入る |
| スマートフォンの縦長動画 | 向かない | 縦位置に対応しない |
| 重めのカメラでの長時間撮影 | 向かない | 耐荷重は約1kgで、重いとグリップ部分が頼りない |
| 卓上での天体撮影 | 向かない | 上向きに約35度までしか傾かない |
この表の上の3行は、MTPIXIMII-Bの得意な領域です。下の3行は、PIXI EVOか別の三脚に任せる領域です。
MTPIXIMII-Bの評判でよくある疑問
縦位置で撮影できるのか
撮影できません。ボール雲台の動きが限られていて、横位置にしか対応しないとDigital Camera Worldが書いています。縦位置が必要なら、対応しているPIXI EVOを選んでください。
耐荷重1kgでどこまで載せられるのか
マンフロットは、1kgまでの対応機器を載せられると説明しています。ただ、Trusted Reviewsは、ソニーのサイバーショットDSC-RX1やキヤノンの100Dのような重めのカメラだと、グリップ部分の頼りなさが増すと書いています。耐荷重の範囲内でも、重いカメラでは長時間の撮影がつらくなります。
三脚の高さはどれくらいか
最大高さは約13.5cmで、脚は1段なので伸縮しません。低い位置から撮る用途には合いますが、目線の高さまで上げる用途には使えません。
安定感は実用になるのか
価格.comのレビューでは、持ち運びやすい大きさと安定感が利点として評価されています。Trusted Reviewsも、軽量でも安定性を犠牲にしていないと書きました。ただし、安定感の前提は、コンパクトシステムカメラのような軽い機材です。
PIXI EVOとMTPIXIMII-Bのどちらを買うべきか
縦位置、高さの調整、2.5kgまでの耐荷重のどれかが必要ならPIXI EVOです。必要がなく、少しでも軽く小さく持ち歩きたいならMTPIXIMII-Bです。どちらでも良いという選び方はおすすめしません。撮る向きを決めてから選んでください。
結論はミニ三脚に機能より軽さを求めるなら買い
MTPIXIMII-Bは、約190gの軽さ、収納時約18.5cmの小ささ、プッシュボタン式のボール雲台、イタリア製という点が魅力のミニ三脚です。国内外のレビューで、持ち運びやすさと安定感が評価されている理由は、仕様の数字を見れば分かります。
弱点も同じ数字から読み取れます。高さは約13.5cmで固定、縦位置は撮れず、傾きは35度まで、耐荷重は約1kgです。この制限を受け入れられる人には、定番と呼ばれるだけの実力があります。受け入れられない人は、PIXI EVOを選ぶほうが、買い直しの手間が省けます。
最後に確認してほしいのは、手持ちの機材の重さと、撮りたい向きの2点だけです。この2点が決まれば、MTPIXIMII-Bを買うかどうかは、数分で決まります。








