TP-LinkのスマートリモコンTapo H110は、赤外線で動く家電をアプリや声で一括操作できるハブで、3,980円前後という価格の安さとMatter対応の両立が評判を集めています。8,000以上のブランド、18種類以上の家電に対応し、外出先からのエアコン操作や複数家電の音声一括操作を実現した点が、実際のユーザーレビューで繰り返し語られています。この記事では、価格や機能面の評判から、セットアップの実際の流れ、競合製品との違い、購入前に知っておきたいデメリットまで、Tapo H110をめぐる評判を具体的に整理しました。
Tapo H110は3,980円前後でMatterに対応する赤外線ハブ
Tapo H110は、テレビやエアコン、照明、扇風機、加湿器、セットトップボックス、プロジェクターなど、赤外線リモコンで操作する家電をスマートフォンアプリや音声アシスタントから一括操作できるようにする製品です。単なる学習リモコンにとどまらず、Apple、Google、Amazon、Samsungが共同で策定したスマートホーム規格Matterの認証を取得しており、Apple HomeやGoogle Home、Amazon Alexaといった異なるプラットフォームへ赤外線家電を橋渡しするハブとしても機能します。
対応する家電のジャンルは18種類以上、対応ブランド数は8,000以上とされ、対応データベースは3か月ごとに更新される仕様になっています。発売は2024年11月22日で、その後、一般市場向けバリエーションのTapo H110Cが2025年6月6日に3,480円で発売されるなど、ラインナップは順次拡充されてきました。海外では29.99ドルという価格で販売されており、日本国内では3,980円前後というスマートリモコンのなかでも手頃な価格帯に位置しています。
良い口コミは外出先からの操作と音声一括操作に集中している
実際のユーザーレビューを見ると、Tapo H110への評価は好意的な内容が中心です。特に多いのが、外出先からのリモート操作に関する声です。「外出先からエアコンを操作できる」「帰宅前にエアコンをつけておけるので快適」といったコメントがあり、ペットを飼っている家庭では留守番中の熱中症対策として、外出先からエアコンの電源やモードを操作できることに高い価値を感じているケースが目立ちます。
もうひとつ多いのが、複数家電の一括操作と音声操作の利便性です。「一言で音楽室のエアコンと照明をまとめてオンにできるようになった」「複数の壁掛けエアコンをまとめて管理できるのが便利」というレビューがあり、Siri、Alexa、Googleアシスタントと連携させることで、声だけで複数の家電を同時に操作できる点が評価されています。あるユーザーは、家中に散らばっていた複数台分のリモコンをTapo H110ひとつに集約したことで、家電操作の導線が整理されたと振り返っています。
価格に対する満足度の高さも繰り返し語られるポイントです。3,000円台から4,000円程度という価格でありながら8,000以上のブランドに対応し、Matterにも対応しているコストパフォーマンスの高さは、複数のレビューで共通して触れられています。関連モデルのTapo H110Cは、Amazonのレビューで4.3という評価を得ているという情報もあり、実際に使ったユーザーの満足度の高さがうかがえます。
応答速度についても好意的な声があります。アプリから操作した際の反応が速く、普段使っているリモコンで直接操作しているのに近い感覚で家電が反応するという評価があり、動作の遅延によるストレスが少ない点が受け止められています。リモコンの同期自体は1分程度で完了するとの報告もあり、複数台の家電を続けて登録する作業も比較的スムーズに進められるようです。
悪い口コミはブランド対応の限界とセンサー非搭載の2点に集約される
好意的な評判が多い一方で、購入前に把握しておきたいデメリットも存在します。ひとつは、対応ブランド数が8,000以上とはいえ、すべての家電に完全対応しているわけではない点です。マイナーなブランドや古い型番の家電の一部は、データベースに登録されていないケースがあります。カスタム学習機能を使えば手動でリモコンのボタンを登録できますが、家電によっては学習がうまくいかない、登録に手間がかかるという声も見られます。
もうひとつは、Tapo H110自体には温湿度センサーや照度センサー、人感センサーが内蔵されていない点です。室温や照度をトリガーにした自動化をしたい場合は、外部センサーを別途用意して連携させる必要があり、この点はセンサー内蔵型の競合製品と比較した際の弱点として挙げられます。
そのほか、設置場所によっては本体のデザインが主張しすぎるという感想や、赤外線リモコンとしての操作可能な範囲に不満を感じたという口コミも一部で見られます。家電本体とハブの間に障害物があったり、距離が離れすぎていたりすると信号が届かず反応しないことがあるのは、赤外線を使う製品に共通する制約です。
なお、Tapo H110は同じTP-LinkのTapoアプリで操作する仕組みのため、同ブランドのカメラなど他製品のレビューでは、Wi-Fi接続がうまくいかない、ファームウェア更新が遅いといった不具合の報告がまれに見られます。こうした事象はハブ本体固有というよりアプリ全体やネットワーク環境に起因することが多く、本体のリセットボタンを長押しして初期化してから再設定する、ルーターのMACアドレスフィルタリング設定を確認するといった対処法が案内されています。
セットアップは数分で完了し、家電登録はアプリのボタンテストで進む
複数のレビューが共通して評価しているのが、初期セットアップの手軽さです。まずスマートフォンにTapoアプリをダウンロードし、アプリ右上の「+」から「デバイスを追加」を選び、「ハブ/ホームベース」のカテゴリからTapo H110を選択して2.4GHz帯のWi-Fiに接続します。ハブ本体の登録自体は数分程度で完了し、専門知識がなくても迷わず進められる設計です。
ハブの登録が終わったら、赤外線家電の登録に移ります。管理画面から「ハブにデバイスを追加」、続けて「スマートリモコン」と進み、登録したい家電の種類とブランド名をタップして選びます。ブランド名がデータベースにある場合は自動でペアリングが試みられ、実際のリモコンをハブ本体に向けてボタンを押すことで信号の送受信をテストします。数回のテストに成功すればペアリングは完了です。
ブランド名がデータベースに見当たらない場合や、家電固有の特殊なボタンがある場合は、実機のリモコンから信号を直接学習させるカスタム登録機能を使います。赤外線信号を受信できればどの家電のリモコンでも学習できる仕組みで、複数のリモコンをひとつにまとめられる点は、リモコンを探す手間から解放されたいユーザーにとって具体的なメリットになっています。
なお、接続には2.4GHz帯のWi-Fiが必須で、5GHz帯のみの環境では接続できません。動作環境は使用温度0度から40度、湿度90%以下(結露しないこと)とされ、一般的な室内であれば問題なく使用できます。
Matter対応でApple HomeとGoogle Home、Alexaを横断操作できる
Tapo H110がMatter認証を取得している意味は、スペック表の一項目にとどまりません。従来、赤外線リモコン機器はメーカー独自のアプリからしか操作できないケースが多く、Apple HomeやGoogle Home、Amazon Alexaを併用しているユーザーにとっては、操作アプリがばらばらになる不便さがありました。
Matter対応のTapo H110であれば、登録した赤外線家電をMatter経由でApple Home、Google Home、Amazon Alexaのいずれからでも操作できます。SamsungのSmartThingsとの互換性もあるとされており、Matter対応エコシステムであれば横断的に家電を管理できる体制が整っています。普段はGoogle Homeを使っているものの来客時にはSiriで操作したい、といった柔軟な使い方も可能で、特定のプラットフォームに縛られたくないユーザーにとって、将来的な乗り換えや併用がしやすい選択肢になっています。
自動化の面では、時間や曜日を指定したカスタムスケジュールに加えて、スマートフォンのGPS位置情報と連動させた自動化にも対応しています。自宅から一定距離離れたらエアコンを自動でオフにする、帰宅が近づいたら自動でオンにするといった設定ができ、外出先からの手動操作に頼らなくても、快適な室内環境を維持しやすくなっています。
Matterは2022年に始まった業界横断の共通規格
Matterは、米国のConnectivity Standards Allianceが策定したスマートホームの国際標準規格で、2022年10月に初版が公開されました。ルーツは、AmazonとGoogleが2019年12月に立ち上げたプロジェクトConnected Home over IPで、Apple、Samsungなど主要メーカーが合流するかたちで規格化が進みました。従来のスマートホーム市場では、メーカーごとに独自のエコシステムを構築し、自社製品同士でしか連携できない状態が一般的で、ユーザーは単一メーカーの製品に縛られるか、複数のアプリやハブを使い分ける不便さを受け入れるしかありませんでした。
Matterはこうした囲い込みを解消し、対応デバイスであればGoogle Home、Apple HomeKit、Amazon Alexaといった主要プラットフォームのどれからでも操作できるようにすることを目的として策定されています。2025年10月時点でConnectivity Standards Allianceに加盟する企業や組織は860社以上に達しており、業界を横断した規格として採用が広がっています。Tapo H110がこの規格に対応していることは、赤外線家電をこの大きな相互接続の流れに組み込めることを意味しており、単体の製品スペックにとどまらない意味を持っています。
SwitchBotハブ3とNature Remoとの違いはセンサーの有無と価格
スマートリモコン市場では、SwitchBotの「ハブ3」やNatureの「Nature Remo」シリーズが競合製品として比較されることが多くあります。3製品の主な違いを整理すると、次の表のようになります。
| 製品名 | 想定価格帯 | センサー | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Tapo H110 | 3,000円台〜4,000円程度 | 非搭載(外部センサーで追加可) | Matter対応、価格の安さが強み |
| SwitchBotハブ3 | 5,000円〜6,000円程度 | 温湿度・照度・人感センサーを内蔵 | センサー起点の自動化を組みやすい |
| Nature Remoシリーズ | 6,000円以上 | 機種によりセンサー内蔵 | 日本の家電プリセットが豊富 |
SwitchBotハブ3は温湿度センサーに加えて照度センサー、人感センサーを内蔵しており、これらの値をトリガーにした自動化シナリオを組みやすいという強みがあります。Nature Remoシリーズは日本のブランドが展開しているため、国内家電のプリセットが豊富で機種登録がスムーズだとされています。
これに対してTapo H110は、価格の安さを最大の武器にしており、3,000円台から4,000円程度でMatter対応のハブ機能を利用できる点が際立っています。センサーを搭載していないことや、海外ブランドゆえに国内家電のプリセット網羅性でNature Remoに一歩譲る可能性はありますが、海外メーカーの家電やシンプルな赤外線家電の一括操作を低価格で実現したいユーザーには、Tapo H110が向いていると言えます。日本の家電を中心に細かい自動化やセンサー連携を重視するならNature Remo、複数のセンサーを使った本格的な自動化を組みたいならSwitchBotハブ3が、それぞれ適した選択肢になります。
Tapo H110とTapo H110Cの違いはチャイム機能と価格帯
Tapo H110とTapo H110Cは非常によく似た製品で、購入時に混同しやすい組み合わせです。両者の主な違いは、チャイム(ドアベル通知)機能の有無や保証期間、価格帯にあるとされています。型番の末尾に「C」が付くかどうかで機能や価格が変わるため、購入前には販売ページの型番表記を確認し、チャイム機能が必要かどうかで選ぶモデルを決めることが推奨されます。
TP-Linkの製品ラインナップには、Tapo H110・H110Cのほかに「TH11」という温湿度センサー連動型のハブ製品もあります。赤外線リモコン機能を中心にMatter対応ハブとして使いたいのか、温湿度センサーと連動した自動化を重視したいのかによって、選ぶべきモデルは変わってきます。
チャイム機能は93dBスピーカーと18種類の音で来客を知らせる
Tapo H110は本体上部のスリット部分から通知音を鳴らせるスピーカーを内蔵しており、その出力は93dBとされています。Tapoのスマートセンサーやスマートボタンと連携させれば、玄関先にスマートボタンを設置し、来客時にハブ本体からチャイム音を鳴らして知らせる、簡易的なスマートドアホンのような使い方も可能です。
チャイム音は18種類のパターンから選択でき、音量も3段階で調整できるため、設置場所や生活スタイルに応じて好みの通知音にカスタマイズできます。ハブ本体をワンタップするだけでチャイムのオン・オフを切り替えられる手軽さも用意されており、赤外線リモコンにとどまらない付加価値のひとつになっています。
外部センサーとの連携で室温28度超えの自動運転も可能
Tapo H110自体には温湿度センサーが内蔵されていませんが、別売りのTapoスマート温湿度センサー、Tapo T310やT315と組み合わせることで、室温や湿度をトリガーにした環境連動型の自動化ができます。夏場は室温が28度を超えたら自動でエアコンをオンにする、冬場は室温が18度を下回ったら暖房を自動でオンにするといった設定を組むことができ、内蔵センサーがないという弱点は外部センサーの追加でおおむね補えます。
センサーを内蔵したSwitchBotハブ3やNature Remo 3と比べると、センサーまで揃えた場合の初期費用は割高になりますが、必要な機能だけを後から追加購入できる柔軟性があります。最初は本体のみで赤外線家電の一括操作から始め、慣れてきたら温湿度センサーを追加して自動化を発展させる、という段階的な導入がしやすい製品です。
赤外線リモコンは50年以上使われてきた枯れた技術
赤外線を使ったリモコンの歴史は古く、1972年には松下電器(現パナソニック)が赤外線リモコン付きテレビを発売し、1970年代後半から一般家庭に広まっていきました。低コストで消費電力も少ないことから、今日に至るまで40年以上にわたって家電の標準的な操作方式として使われ続けています。Tapo H110のようなスマートリモコンは、この枯れた技術である赤外線信号を土台にしながら、スマートフォンアプリやMatterのような新しい規格と組み合わせることで、古い家電も含めて一括操作できるようにしている点が特徴です。
国内の調査では、スマートリモコンの利用率は39.8%とされており、利用シーンとしてはテレビの操作が41.2%、空調の制御・管理が40.2%と多くなっています。エアコンとテレビという、家庭で使用頻度の高い赤外線家電をまとめて操作したいというニーズが、Tapo H110のようなスマートリモコンが評判を集める土台になっていると言えます。
Tapo H110がおすすめなのはスマートホーム入門者と複数リモコンをまとめたい人
これまでの評判を総合すると、Tapo H110は次のようなユーザーに向いています。まず、スマートホーム化を初めて試すユーザーです。価格が手頃でセットアップも簡単、Matter対応で将来のプラットフォーム選択肢も狭めないという特性は、とりあえず試してみたいというニーズに合致します。
次に、複数の赤外線リモコン家電を一括で管理したい人です。テレビ、エアコン、照明、扇風機など複数のリモコンをTapo H110ひとつにまとめることで、リモコンを探す手間をなくし、外出先からの操作や音声操作をまとめて実現できます。外出先から自宅のエアコンを操作したいというニーズを持つ人にも適しており、特にペットを飼っている家庭では、留守中の室温管理という具体的な用途に活用されている例が複数見られます。
一方、温湿度センサーや人感センサーと連動した高度な自動化を組みたい場合や、日本メーカーの家電のプリセット網羅性を重視する場合は、Nature RemoやSwitchBotハブ3も含めて比較検討することをおすすめします。価格の安さとMatter対応という2つの条件を両立させたい人にとって、Tapo H110は選択肢の筆頭に挙がる製品だと言えるでしょう。








